婚礼の儀式で彩られた大聖堂では、いよいよフィナーレを迎えようとしていた。

締めは戦人とベアトリーチェの指輪交換。
戦人には当主の指輪、ベアトリーチェにはダイヤの指輪。

「ベアト…。」
「戦人さん、指輪を。」
「ああ。」
微笑み合いながら、ベアトから当主の指輪をはずそうとした、…………その時。


「待てええええぇぇぇぇぇぇ！！！！」
誰かの声。それからガシャンとガラスが爆ぜる音。聖堂の天井のステンドグラスが割れ、地に降り注ぐ。

「な、なんだ！？」
誰もが慌てふためく。ようやく静かに終えられようとしていた結婚式にざわめきが響き渡る。

ひらりと、どこからともなく一匹の黄金の蝶が羽ばたいてくる。
一匹だけでなく、二匹、三匹………数えきれないくらいの黄金の蝶が式場中に舞う。
やがてそれが人の形を作る。

「っ………え！？」
戦人は驚愕した。だって、その人物は髪型と服装は違えど、となりにいる妻となる者と瓜二つだったからだ。
その人物は…。

「お、お姉様！？」
「へ…？」
ベアトリーチェは一足先にそのお姉様と呼ぶベアトリーチェの元に駆けてゆく。


「お姉様！！　なぜここにいるのですか…！？」
「…ずっと妾はそなたを探していたのだ。…ようやく見つけたぞ、妹。」
「お姉様…。」
きゅっと姉のベアトリーチェはベアトリーチェを抱きしめる。なんだか雰囲気が姉妹よりも恋人同士ににている。

「と、いうわけで、」
「？」
「妹、妾と結婚しよう！」
「！？」
「ちょ、ちょっと待て！！」
そこでようやく戦人が割り込む。
姉ベアトが気に食わなさそうな顔で戦人を睨む。

「……はっ、無能な戦人に妹の夫が務まるか。妹は妾に任せ、そなたは密室に閉じこめられてヱリカとでも結婚してしまえばよかったものを、」
「そういうわけにいかねぇだろ！！　物語を終わらせなきゃいけねぇだろうが！！」
「これから始まるのは妹と妾の新婚生活物語なのだー！！」
「ふざけんなああてめえええぇぇ！！」
「ふっ……そこまで言うのなら、」
姉ベアトは白いものを取り出したかと思うとそれを戦人に投げつける。

「………これは…。」
「馬鹿でなければ、意味くらいわかるであろう？」
正体は………白い手袋。それが意味するのは一つ。

「戦人………………妾と決闘しろッ！！」
一層ざわめく。ＥＰ６のシーンの一部に似てるのは気のせいだろうか。

「け、決闘…だとう…？」
「ああ、なんてことだろうか！　本日は決闘が二度あるだなんて豪華だね、フルフル！」
「そうねゼパル！　またしても新婦を賭けた戦い！　見逃せないわね！」
「さっきのは新郎を賭けた戦いだったじゃないか～！」
「あら、そうだったわね！」
戦人の背後で悪魔が愉快そうに騒ぐ。

逃げれば………自分は笑われ者。しかし負ければベアトリーチェと結婚できない。

なら………勝つしかない。

「乗ったぜ…。その決闘。」
「ば、戦人さん！？」
「聞いたぞ…。妾は確かに聞いたぞ戦人ぁあ！！　妾は勝つ！！　絶対に妹と結婚してみせる！！」
「おうッ！！　ベアトと結婚するのは俺だぁぁあああ！！！　うおおおぉぉぉぉぉぉッッッッ！！！」


ＥＰ７へ続く！！


（※続きません）




あとがき

ＥＰ６でこういう展開来てくれなかったことが不服だーー！！←

姉と雛は融合したって言うけどその肝心な融合シーンがないではないかっ！！
というわけで姉に乱入してもらいましたｗ
色々つっこみたいだろうけどこの辺で（逃